OPUS 欧珀思伝播諮詢 李権錫(Tony
Lee) 執行董事
http://www.opuschina.com/
<企業プロフィール>
上海で日系企業や欧米企業を主な顧客対象とし、伝統型PR戦略とオンラインマーケティングの結合によって、360度の市場宣伝実現を目指すOPUS主席執行官、李権錫氏のお話を伺った。
<前号のつづき>
―李社長は韓国人でありながら世界を股にかけてグローバルな活躍をされています。李社長から見た日中韓関係について何かお考えはありますか?
日中韓は経済のレベルに違いはあるにしろ、文化の背景は非常に似ています。漢字文化圏ですからね。しかし、日本は明治維新以降アジアに目をほとんど向けてきませんでした。ヨーロッパの仲間に入ろうという意識がありました。だからこそ、今「アジアブーム」という、アジアの第三国から見ると少し不思議だなと思わせるブームがあるのです。日本はアジア圏の国です。アジア文化を共有することは当たり前の事なのです。アメリカ英語文化圏内でヨーロッパブームが起きると少しおかしいと思いませんか?この文化交流は自然となるべき事なのです。
ですから、私は「ブーム」などと言って欲しくないのです。「ブーム」という言葉は終わりもあることを差しますから。アジア圏の国々は仲良くするべきなのです。今始まったこの文化交流はほんの些細なものです。今後はさらに大きな広がりを見せると思います。
また、少し話が変わるのですが、国にはブランドイメージがあります。ある程度調査すると見えてきたことなのですが、中国人や韓国人が抱く日本のブランドイメージが何だかわかりますか?韓国人が日本に抱くイメージから言いますと、「アダルト系、侍、やくざ、すし」といったイメージがあります。中国人が抱くイメージから言いますと「侵略軍、アダルト系、家電メーカー、ソニー、松下」といったイメージがあります。
中国人が抱く韓国のイメージは「映画、ドラマ、音楽」といったイメージです。アメリカに関して言えば「ハリウッド」という大きな憧れのイメージもあります。日本に関してはマイナスのイメージ又は商業的なイメージが先行しているのがわかりますか?これは日本という国がブランド作り、PR活動にあまり力を注いでこなかったことを意味します。日本は、海外へ積極的に宣伝活動をする事を苦手としているのかもしれません。しかし、せっかく文化的にも社会的にも良いものをたくさん持っているにも関わらず、海外に対してうまく活用できていないのが事実です。本当に惜しいと思います。日本人としての様々な面が見えてこないのです。宝の持ち腐れと表現できると思います。
国の良いイメージと言うのは国のパワーになります。人々の活力の元となります。対外経済なども国のイメージによって円滑に進む場合もあります。日本にはそこに気づいて欲しいと思っています。であるからこそ、私達のようなPR会社をうまく利用していただきたいのです。
―日本の良いイメージというものはないのでしょうか?
確かにアニメ作りがうまいといった良いイメージもあります。しかし、日本は私達に対して、日本の良いイメージを抱く機会を作ってくれなかったのです。その機会を是非作っていただきたいです。日本は商売ばかりに目を向け、全て商売につなげて考えているように感じられます。やはり文化的なものをうまく表現していかなければならないと思いますそれが結局商売の長生きに繋がります。
文化的にも社会的にも良いものがたくさんあるのですから、しっかりとアピールして欲しいと思っています。
―これから中国に進出する企業の方にメッセージをいただけますか?
ビジネスマンに関して言えば本当に今の中国はチャンスだと思います。まだまだ市場が混乱しています。であるからこそ、成熟する前の市場にはチャンスがたくさんあると考えています。大手に逆転できる環境が中国にはあると私は常々言っています。ただし、ビジネスモデルはローカライズ(現地化)させなければならないとも言っています。中国国内の環境に併せて自社のシステム、やり方をカスタマイズし、中国の価値観に合わせていかねばなりません。日本の価値観を押し付けようとすると、受け入れられないことがあります。本国のビジネスモデルが全て通じるほど甘くはないです。
―留学生に向けて何かメッセージをいただけますか?
私も中国に留学した経験があるので思うことがいろいろとあるのですが、同国人ばかりで集まるのではなく中国人の友達をたくさん作って欲しいと思います。日本人の方に関して言えば、日本人にはこういう人がいるのだと、どんどん中国人にアピールして欲しいと思っています。
―ありがとうございました。
OPUS 欧珀思伝播諮詢 執行董事: 李権錫(Tony Lee)
http://www.opuschina.com/
住所: (〒200031)上海市桃江路8号 宝軽大廈2楼C座
TEL: +86,21-3423 0425
FAX: +86,21-3423 0429
取材:小林直樹 高松俊 増永富治
執筆:高松俊
<編集後記>
今回の取材を通して、日本の外交に何が足りないか見えてきた気がします。善悪をはっきりと言わない、婉曲的な表現を好む、などは日本人の美徳の一つでもありますが、外交の場においては、はっきりと自国の美点をPRしきれない短所となっているのかもしれません。出る杭打たれるとは言いますが、海外PRに対しては良い杭をどんどん出していくべきだと確信しました。最近、私自身も、相手にはっきりと自分の思いを伝える事の大切さに気づき、行動言動に反映させています。(俊)
韓国人で、世界をまたに駆けて活躍されてるtony氏の言葉は新鮮で、とても魅力的な方でした。中国や韓国の日本に対するイメージを聞いて、とても残念でした。日本にはもっと良い物や、すばらしい文化があます。そこを伝えて、日本のイメージを変えていくことが必要だと思いました。自分達留学生も、語学交流を通して、外国人にもっと日本に良いイメージを持ってもらえるようにアピールしていきたいと思います。(富治)
<しゃおりんの一言>
メンバーが増えてきました。現在13人。皆志が高くやる気満々です。若いから失敗もあるけど、がっついた彼ら(彼女ら)と一緒に中国の情報を配信できるのはとても楽しいです。また上海の社長はとても優しい方々ばかりです。中国人、韓国人、日本人といった様々な立場から中国や日本に関するコメントをいただけることに非常に感謝しておりますし、この活動を通じて、一人でも多くの方が隣国に興味を持ち、少しづつでも理解の和が広がっていくことを祈っています。(小林)
<お知らせ>
BONdSファクトリーでは、一緒に「RINKOKU」を盛り上げてくれる仲間を募集します。
・文章を書くのが得意なひと
・中国の経済、経営に興味がある人
・コミュニケーション能力に自信があり、アイデアに自信がある人
のいずれかに該当する方を希望しています。
※毎週土曜日am10:00〜上海財経大学宿舎1号楼にて定例会を行なっています。飛び入り見学歓迎。
※2006年度の活動に向けての研修を開始いたします。活動内容の全てを伝授したいと思いますので、来期に活動を検討している方は定例会だけでもご参加ください。
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(大学名、氏名、連絡先、自己PR、留学期間など)
追ってご連絡させていただきます。
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