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新東京料理『TO』  総支配人 小出孝之氏


<企業プロフィール>
自分の夢の実現と人を良くする事をモットーにレストランを経営している、新東京料理『TO』の小出総支配人に、開業準備やスタッフ教育等についてお話を伺いました。


―まず、ご自身の経歴について教えてください。

飲食業界に入った原点は大阪万博です。大学時代に大阪万博のレストランで、皿洗いのアルバイトをしました。大学卒業後、大手旅行会社に10年間勤務し、世界約70カ国を周りました。海外勤務で時間が空いているときには、よく食べ歩きをしていましたね。その後ディズニーランドに出向し、マーケティングを担当しました。何万人という入場者に食事を提供するシステムや、VIP向けレストランのサービスの綿密さには、学ばされることが多かったです。

特に印象に残っているのが、そのVIP向けレストランの料理長に言われたことです。それは、「『食事』という字を分解すると『人』を『良』くする『事』になる」という言葉でした。飲食業とは人を良くするお手伝いなんですね。中国には昔から「医食同源」という言葉があります。病気を治すのも食事をするのも、健康を保つためのもので、その本質は同じだということです。医者がさじ加減一つで、人を死なせてしまうこともあるように、食事にも、人の命を左右してしまうことがあるのだと、気づかされました。

以上のような経験から、飲食業が自分の天職だと感じ、この業界に転身しました。独立の後、レストランの経営やコンサルティングを手がけました。その時のお客様に、上海への進出を誘われ、2004年に『TO』を開店し、現在に至っています。


―中国を選んだ理由を聞かせてください。

日本人の起源として、メソポタミア地方(現イラクのチグリス・ユーフラテス川流域)のシュメール人が、中国の西域ホータン(和田)の辺りを経て、日本に渡来したという説があります。また、自分の家は、大陸からの渡来人の家系と言われています。そのような理由から、自分のルーツである中国に、強い興味をもっていました。

その中国に、日本独特の「思いやり」や「もてなす」といった心を伝えるという形で、貢献したいと思っています。経済的な側面よりも、使命感としての理由が大きいですね。

―中国で出店するにあたり注意したことや苦労したことは何ですか?

中国はめまぐるしく変化していて、規則の改正も頻繁です。進出を決めた当初は、独資での会社設立は認められておらず、合弁の準備を進めていました。その後独資も認められるようになったため、最終的に独資で設立しました。

よくある話では、合弁して間もないうちに、中国側に追い出されてしまって、結局はノウハウや多額の費用は水の泡になってしまうというケースがあります。裁判しても日本側は殆ど勝てないのが現状です。ですから私は、現状の中国からすれば会社設立は独資をお勧めします。

また、許認可取得は正攻法でいくべきです。けれども、中国全土の中でも上海での許認可取得は特に難しいといわれています。というのは、上海は他の地域に比べ建物が多く道も入り組んでいることもあり、許認可当局は様々な口実を使って賄賂を取ろうとするのです。まして、規制だらけの永久保存ビルの多い外灘エリアは飲食店の許可取得は至難の業なのです。

例えば、当局の担当者が、「○○の証明書が必要だけど、これだけの額を支払ってくれれば面倒な手続きはいらないよ」と言ってきます。私は「書類が必要なら、それを揃える」と押し切ったんです。すると、結局最後には、担当者は折れてくれました。これは日本では考えられないことですね。

ただ、正攻法で達成できたうらには、現地にいる友人達の何らかの協力があったと思います。私は7月に上海へ来て、9月にTOを開店しました。会社も許認可もない状態から、2ヶ月で開店することは、普通は考えられないそうです。最低でも、6ヶ月かかると聞きます。実際、許認可がなかなか下りないこともありました。しかし、友人達にその愚痴をこぼすと、不思議とその後、当局の対応が変わりました。本人に聞くと否定をするのですが、おそらく当局に影響力を持っている友人達が、影で動いてくれていたのだと思います。やはり信頼できる友人がいるということが、この中国では非常に重要な事だと思います。

中国では店舗の家賃は、契約当初2ヵ月間は無料のことが多いです。その期間で工事を完成させ、許認可(環境、衛生、公安、消防など)も取得したので、必要最低限の費用で準備することができました。


―なぜ日本人が多い古北地区ではなく、外灘という場所を選んだのですか?

外灘地区は、世界を代表する観光・商業エリアにしようという人民政府の方針の下に開発を進めている特別重要拠点です。歴史的建造物の外観はそのままに、内装をリニューアルして、世界各国のブティックやショップ、そして、その国を代表するレストランや社交クラブを入店させる計画が進行中です。家賃等のコストが高く、商売にはなりづらいのですが、アンテナショップという位置づけで、世界に情報発信をする目的で出店しているところも多いです。そのようなことを聞き、このエリアは将来的に間違いなく大変化を起こしせかいの注目の街になると思いました。また、現在でも上海を代表する顔である事は間違いありません。

―価格設定はどのようにされたのですか?

他店が安いからといって価格を低く設定するつもりはありませんでした。全く日本と同じにしています。良い場所には良い客が来るので、価格が少し高めでも、きちんとしたサービスを提供すれば高いとは言われません。ランチは800円〜1000円くらい、ディナーは2000〜3000円ほどで食べるこができればと思っています。

それと余談ですが、中国人は接待などでは、面子でとにかく高い物から注文します。彼等はお金を使いにレストランに来ているという感覚です。逆に、香港台湾系はシビアで値段に関係なくおいしいものを出せば喜ぶし、そうでなければ怒ります。こういう風に、お客様の反応が直に解かると私達としてもサービスがしやすいです。


―店舗運営やスタッフ教育で意識していることはありますか?

衛生管理を重点に教育しています。中国では、料理に火を通すことが前提だからか、食材を平気で床に置くなど、日本人の意識からすると、衛生管理が徹底されていない部分があります。その意識を変えるため、店内の掃除は徹底して行っています。また、オープンキッチンにしたのも、常に見られていることで、清潔を意識して欲しいという理由があります。

次に、モラルやマナーです。自己中心的な意識や、協調性の少なさといった根本的な部分はなかなか変わりません。ですのでそれを変えようとするのではなく、うまく利用することに着眼しました。例えば、責任感のある仕事を与えたり、給料昇給マニュアルを細かく設定すると、みんな凄く勉強します。そのスピード感は日本人以上です。日本人の若者にも負けずにがんばってほしいです。

良い人材を揃えられるかどうかもスタッフ教育のポイントだと思います。その人材が次の新しい人材を教育してくれますので、最初は少なくてもいいという気持ちで良い人材を配置するということが重要です。


―今後中国はどのように変わると思いますか?

私は今の中国に対して20〜30年前の日本と同じような状況を思い出します。かつての日本が東京オリンピックや大阪万博の後、高度成長を果たしたように、中国も2008年の北京オリンピックや2010年の上海世界博覧会などをひかえ、諸外国の人々が訪れる事と都市整備も含め、全ての面において、必然的にグローバルスタンダードを守らざるを得ないし、また良くも悪くもとてつもない国になるような気がします。それをこれから体験できるのが楽しみです。

―最後に、学生に一言お願いします。

いろいろな経験をしたほうがいいと思います。例えば、ケーススタディーとして10人くらいで会社を設立しておけば、それを基盤として様々な事ができます。若いうちからどんどん起業して、人より早く多くの経験を積んでおけば、人が3つしかシミュレーションできないことを4つも5つもすることができるので成功の確率が高くなります。ですので、若いうちから、そういう苦労をすることは大切です。

ただレストラン経営は儲かりませんよ。レストラン経営は僕の使命だと思っているから楽しくできているけど、儲けようとする方は投資するほうに回ったほうがいいと思います。ただ私にはこの仕事以上に楽しい仕事は現段階では見つかっていません。本当に、従業員の人たちの日々成長していく姿を見て仕事しているというのは何かしら、中国でお役に立てているという気がします。まさしく食事にたずさわる仕事(レストラン事業)とは、「人を好くする事」のお手伝いをしているのだと実感しています。


―ありがとうございました。


★新東京料理『TO』からのお知らせ
近々、新東京料理「TO」の2号店「To WINE LIBRARY CAFE」が外灘の中心福州路にオープンします。昼間はイタリアンフードと引き立てコーヒーを、リーズナブルな価格で提供するカフェと、夜は世界中から厳選したワインの数々を、気軽にお楽しみいただけるお店です。深夜まで営業していますので、皆様のご来店をお待ちしています。

新東京料理『TO』  総支配人 小出孝之氏
<店舗住所>
上海市黄浦区四川中路220号
 tel.021-6329-0538 fax.021-6329-0613
<2号店『To WINE LIBRARY CAFE』住所>
上海市黄浦区福州路106号 
※お電話の際は『TO』へ直接お願いします。


取材:津田昭奈
執筆:岡崎大輔
同行:渡辺幹夫、宮田正規


<編集後記>
小さいころ風邪を引いたとき、母親がお茶と金柑と蜂蜜で作った風邪薬を飲ませてくれたことを覚えています。伝統的な治療法ですが効果抜群でした。最近では、「医食同源」を心の合言葉に、健康に注意するようになり、注文の際は栄養バランスを意識しています。街の露店で買った食べ物を口にし、お腹を壊した人は数えきれないでしょう。私もその一人で、食べた次の日、腹痛で入院しました(汗)。もう食べません。自己管理を食べることから注意し、留学生活を食べることから楽しみたいですね!(大輔)

私は食べるのが大好きで、おいしいものを食べるとほんとうに幸せな気持ちになります。雰囲気のいいレストランもその場所にいるだけで特別な気分になれます。中国に来て半年強、こっちの生活に慣れて、欠けている食器や汚れている机など、まったく気にならなくなっていました。でも今回の取材で、きれいな場所で素晴らしいサービスの中おいしいものを食べると、本当に心が豊かになるな、と改めて実感しました。小出さんもおっしゃっていましたが、本当に食は人をよくしてくれるのだと思います。だからこそ、たくさんの中国の人に料理の味だけではない食の素晴らしさを体験してほしいです。(昭奈)


<お知らせ>
BONdSファクトリーでは、一緒に『RINKOKU』を盛り上げてくれる仲間を募集します。

A.文章を書くのが得意な人
B.経済・経営に興味があり、目標がある人
C.世話好きで、とにかく皆を楽しくさせる人


に該当する方を希望しています。


※毎週土曜日am10:00〜上海財経大学宿舎1号楼(中山北一路)にて定例会を行なっています。見学の際は事前にご連絡ください。
※2006年度の活動に向けての研修を開始いたします。活動内容を伝授したいと思いますので、来期に活動を検討している方は定例会だけでもご参加ください。


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