FIDELI 福逓利信息技術(上海)有限公司
加藤 克也 董事兼副総経理(副社長)
http://www.fideli.cn/
<今回の企業>
中国において事業者向けのポータルサイトビジネスを手がけるFIDEL有限公司、副社長加藤克也氏にお話を伺った。
―まずは会社の概要をお聞かせください。
我々フィデリ・チャイナは、日本の本社株式会社イー・クラシスの子社会です。イー・クラシスは2000年3月に創業されたインターネットサービス会社です。
社名の「クラシス」はラテン語で「艦隊」を意味し、イー・クラシスは "e"時代(※1)をリードする
"e"艦隊を目指しています。イー・クラシスは「社会に最良の価値提案をし、貢献できる企業で在り続ける−世界(地球)に良い影響力を与えられ永遠に進化できる企業−」という企業理念を掲げており、「世界一のサービス企業を目指す」「世界一、素晴らしい対応ができる企業を目指す」といったビジョンを持ち続けています。
「フィデリ」は、本社が展開している、事業者向けポータルサイトの名称です。サイトを通して、全国の中小企業を対象に、事業拡大、資金調達、コスト削減など事業展開に役立つ様々なサービスを提供しています。
「フィデリ」という名は、「信頼される」という意味を持つラテン語「FIDELIS」にちなんだ造語で、このブランドを通して「信頼されるサービスを世の中に提供する」という意思を込めて命名しました。
ここ中国へは、フィデリというポータルサイト名をそのまま会社名とし、進出しております。
なぜ「中国」に進出してきたかといいますと、単純に代表が中国好きという理由が挙げられます。とは言いましても、進出する狙いとしましては、中国国内の中小企業自体のマーケットを活性化させたいという明確なビジョンをもっています。企業と企業をフィデリのサイトを通して繋げていきたいと思っています。
進出のタイミングについては、実は今までに3回ありました。まずは、2000年後半。この時期には社内でも「まだ早いだろう」と言う意見も多く、ペンディング(保留)しました。次に、2003年。この段階では本格的に市場調査を始めました。社内も上海に拠点を持とうと決断するまで至りましたが、その年流行したSARSの影響と、内部の事情も重なりまして再度ペンディグしました。そして今回の2004年。昨年度に市場については調査済みでありましたから、本格進出は比較的スムーズに進みました。今現在、社員は私を含め5人、私以外全員中国人で構成されています。
―中小企業のマーケット活性化を図るとは具体的にはどういうことでしょうか?
ここ中国国内にも良い情報良い商品をもっている様々な優良企業があります。しかし、内資であるだとか知名度の理由で埋もれてしまっていて、なかなか企業と企業がマッチングできずもったいないのです。そこで、我々がそういった優良企業を厳選し、その企業の皆さまがサイトを介していただくことで新たな取引が始まったり、取引自体が円滑に進んでいただければな、と考えています。「フィデリに載っているから安心だな」という役割を担いたいですね。また、将来的には様々な国の事業者を掲載し、ワールドワイドな繋がりを提供していきたいと考えています。
―実際にはどういったサービスを提供されているのですか?
そうですね。今現在ポータルサイト上で提供しているサービスコンテンツは主に2つあります。一つは、企業様、店舗様の人材教育のお手伝いをさせていただく「フィデリ・マナーサポート」といったサービスを提供しています。もう一つは、中国の企業調査、市場調査を提供する「フィデリ・調査レポート」になります。
―どうして「マナー・サポート」というサービスに目をつけられたのでしょうか?
中国へ来る前から、中国人のマナーはよくないと聞いていました。実際生活してみても確かにそうだと思います。しかし、社員を教育しますとしっかりとマナーは身につけます。ようするに今の中国人の頭の中でマナーの概念がないだけで、きちんと教育すれば必ず身につくものなのです。なぜマナーが悪いのかという原因まで知らなければなりません。現在、中国企業は海外にも目を向けていく段階に入っています。社員に必要最低限のマナーを教育したい、といった企業に対してのプログラムやサービスは、需要と必要性があるのではないかと考えています。
―サイトの認知度UPや事業者の方々に登録していただく手段とは具体的にどういったものでしょうか?
日本では主にインターネットを主なツールとして活用しています。しかし、中国のここ上海においては、そもそも事業者に対して特化する広告媒体が少ないのです。まず上海の事業者を囲みたいのだがインターネットを使ってもピンポイントに営業や広告活動ができないのが現状です。
ですから、上海内においては、日本とは全く逆に、「人」を使って、弊社のサービスを事業者の方々に理解していただいています。いわゆる営業マンを広告媒体にするという方法です。営業部隊をつくり直接企業に赴かせ媒体の告知活動をしてくる、実は狭い上海においてはこちらの方がコスト面でもスピード面でも効率的です。事業者の方々に我々のサービスを知っていただくという目的は一緒ですが、日本とはまったく逆の手法をとっています。
―中国において事業者向けのポータルサイトビジネス業界の現状はどういったものなのでしょうか?
事業者向けビジネスを展開している企業として意識しているのは、ヤフーチャイナを買収した『アリババ』になります。現在、中国内において弊社と同様のビジネスモデルを展開している会社は、私の知るかぎりまだありません。アリババとも若干異なるビジネスモデルです。ですが、この市場を独占しようと考えているわけではありません。まだまだマーケット自体がそれほど大きいわけではありませんから、例え同業者がでてきたとしても、「競合」というよりも、まずは「共存」し、マーケット自体を広げることに注力していきたいと考えています。
<次号につづく>
FIDELI 福逓利信息技術(上海)有限公司
http://www.fideli.cn/
TEL: 86-21-6289-3252
FAX: 86-21-6247-2571
中国上海市延安中路841号当方海外大廈1706室
取材:小林 直樹
執筆:高松 俊
同行:高松 俊 増永 富治
<お知らせ>
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※毎週土曜日am10:00〜上海財経大学宿舎1号楼(中山北一路)にて定例会を行なっています。見学の際は事前にご連絡ください。
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