アサヒビール(上海)産品服務有限公司
http://www.cn.asahibeer.co.jp/Companyc/index.html(日本版)
http://www.asahibeer.com.cn/
(中国版)
総経理 鈴木富雄(とみお)様
題名「中国大陸に希望のAsahi(朝日)を!!」
<今回の企業>
日本の4大ビール企業を代表する「アサヒ」。他社との熱い顧客獲得競争の中、01年から5年連続で売上No.1を維持し続けている。
そして現在、21世紀の一大消費大国・中国では、更に熱い戦いが繰り広げられていることを皆様はご存知だろうか。中国の経済発展や消費市場拡大に伴い、世界中から勝ち組ビールメーカーが中国に進出している。またかつては800社以上の国内ビールメーカーが存在したが、現在はおよそ350社程度に集約されたが、それでもビールメーカーが非常に多く存在するのが中国ビール市場の特徴と言える。
その現場の最前線で総指揮をとっておられる「アサヒビール」中国上海販社総経理の鈴木氏にお話しを伺いした。
―鈴木総経理の経歴をお聞かせください。
早稲田大学卒業後、1985年にアサヒビール(株)に入社しました。入社後、4年間は横浜支社の営業担当として勤め、89年から6年間労働組合の中央執行委員(社員の代表)として賃上げや生活条件の向上を目指し、労働組合の専従として活動してきました。
時には社長とも対等に話すという立場だったこともあり、一般の社員とは違う視点で会社を捉えることができました。その経験が組織運営力、交渉力を身に付け、発揮する上ですごく役立っています。
その後、近畿圏本部営業企画部、本店営業部業務用販促課課長、中国地区本部営業企画部長を歴任しました。
当社の中国進出は93年に中国ビール会社への投資という形でスタートしました。上海販社は2000年5月9日に設立され、現在に至っています。それ以前は伊藤忠商事さんが販売を担当していました。私自身、05年に中国本部営業企画グループ部長として赴任して、06年9月から現職を勤めています。
日本では学生時代にマーケティング大家である原田俊夫先生のもとでマーケティングのゼミに所属し、卒業論文のテーマは「CI(注1)に関する一考察」としていたこと、入社後はアサヒビールのCI導入からスーパードライ大ヒットを営業担当として現場で経験できたこと、本店時代には関連会社のISO取得(注2)に深く関わったこと、直近では体系的に「マーケティング戦略」「財務戦略」「人材マネジメント戦略」「事業戦略」等を長期間の社内研修で身に付ける機会を得たこと等、一環してマーケティングを中心に、経営の基本を身に付ける機会に恵まれてきました。
上海販社総経理となった現在も、中国の投資各社(北京ビール、煙台ビール、杭州ビール他)への営業支援・マーケティング支援の業務を兼務しています。
注1:CI(コーポレート・アイデンティティ)を構成する4つのアイデンティティ(マインド、ドメイン、ビヘイビア、ビジュアル)を見直し、一新する一種のマーケティング方法。今まで企業がもつ特徴や存在価値を改めて整理し簡潔に表す。そして新しい企業の構想を考え出していく。
注2:ISOとは国際標準化機構が策定する標準化規格の総称。世界約146カ国で60万以上の団体が認証取得している。ISOは知識・技術・商品が世界規模で流通している中、国際的な標準規格が策定されることで、消費者や企業間取引において、商品・サービスの信頼性を担保する大きな役割を果たしている。
―貴社の事業概要について教えてください。
アサヒビールグループは中国でビール・飲料・農業事業を中心に行っています。また青島?酒とはビール及び飲料で合弁事業を展開しており、中国での成長著しい康師傳の飲料事業へも出資しています。
上海販社はビール事業の中でAsahiブランドを魅力的なグローバル&プレミアムブランドとすることを目指して事業を展開しています。『魅力的な』を換言すれば『安全な、安心できる、信頼できる、憧れる』といった意味となります。
現在は北京、大連、上海、深?に4つの販売拠点を持ち、主に量販店(総合マーケットやコンビニ)及び飲食店(ホテルや日本・外国・中華料理店)向けに販売しています。
また、日本でも行っている「樽生クオリティーセミナー」を中国各地で開催する等中国の飲食店、特に日本料理店でうまい樽生ビールが飲めるよう品質向上の取組みにも力を入れています。
―貴社の強みは何ですか。
世界40カ国以上で販売されている日本No.1ブランド「アサヒスーパードライ」を有していることです。
中国ではローカルブランドの「朝日清爽」も販売していますが、上海販社はグローバルブランドである「アサヒスーパードライ」の販売に注力しており、中国の外資プレミアムビール市場でNo.1ブランドとすることを目標としています。
―部下に対しての特別な人材育成方法などありますか
部下には経営理念を根本に、常に1ランク上の仕事を意識させるようにしています。常に自ら考え、自ら行動して結果に結びつける人材が必要です。特に中国人幹部の人材育成をするために、日本での実習や外部専門会社による研修受講の機会を設けています。
上海販社は『実心、実言、実行』(目標と達成プロセスを常に心に思い描き、実際に上司・同僚・部下に公言し、担当業務を実行・達成するという意味)を運営方針と定める事にしました。この運営方針により面従腹背(注3)を排していきたいと考えています。
また、5つの行動指針も定めました。
@ お客様の目線で、常に誠実な対応、迅速な行動をとる。
A 迷ったら、困ったら現場へ赴き、現場を見て、現場の意見に耳を傾ける。
B フットワーク(身軽さ)、ヘッドワーク(効率さ)、ハートワーク(気使い)、マネーワーク(コスト意識)を常に使うようにする。
C 重大な事態への対処が手遅れにならぬように「報告、連絡、相談」を徹底する。
D チームワーク、コミュニケーションを重視した業務運営を心掛ける。
注3:表面的に同意しているように振る舞い、本心では反対のことを考え行動すること
―上司の立場(リーダー)として大事にされていることはありますか。
企業活動を円滑に進めるため、常に自分自身にリーダーの仕事・役割を問い続けるようにしています。また事業や担当業務の方向性を決め、将来の夢・ビジョンを、部下に繰り返し分かり易く伝えるようにしています。
志としては、目標を持ち、人を巻き込む、そして実行させる。自分の役割をしっかりと掴みながら仕事をしていくことですね。
―将来に向けての展望をお聞かせください。
05年から中国に赴任して、今日に至るまで上海販社の基礎固めに力を注いできました。今後は上海販社のリーダーとして、これまで描いてきたビジョンや目標の実現に向かって、できることは何でもやっていく決意です。リーダーとして皆の先頭に立って、粘り強く行動していくのみと考えています。そして新たな展望を切り開いていきたいですね。
―次号へ続く
住所:中国上海南京西路1038号梅龍広場12楼1205室
電話番号:(021)6267-2052
FAX:(021)6267-2082
取材:伊賀麻紗美
執筆者:松村伸幸
同行者:龍英
<お知らせ>
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Arouse Japan 上海代表 稲葉太郎
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