『万克徳(マクト)商務諮詢(上海)有限公司』
『南富士産業株式会社 上海統括事務所』
http://www.mfsg.co.jp/ (日本語)
http://www.mfsg.com.cn/ (中国語)
総経理・所長 杉山 拓 氏
「中国でスーパーエリート幹部候補生を育成し、日系企業の幹部に」
<前回の続き>
―御社の企業理念を教えてください。
「人づくり」、「No.1」、「only 1」の3つを基本理念とし、小さくてもキラっと光る「知恵の大企業」を目指しています。
―「人づくり」を御社の基本理念とされている理由を教えてください。
みなさん、木を想像してみてください。木はそれぞれ形も大きさも千差万別ですね。しかし、生き生きと成長する木には共通点があります。それは、「肥えた土壌」、「種まき」、「張り巡らされた根」です。
ここが企業で言えば「人づくり」にあたります。人材が伸びていける環境(肥えた土壌)を創り出し、優秀な人材を採用し(種まき)、ビジネスの世界で戦っていける人材へと育てあげます(根を張り巡らす)。
また、木で言う「幹」の部分は、企業では「理念・方針」となります。幹の先には「枝葉・実」があり、企業の「事業・商品」に相当します。このように、企業においても大きな成果を収めるためには「まず一番初めに土台を築く」、すなわち「人づくりをしてからビジネスを」という理念で経営しなければいけません。
―御社では「人づくり」の一環としてどのようなことに取り組んでいますか。
まず一つ目が「BOOK購入書制度」です。弊社では社員に読書を奨励しています。本を読む習慣がつけば、いろいろな知識が吸収できるだけでなく、考える習慣が身につきます。マンガや週刊誌以外の本であれば、購入費用を全て会社で負担することにしています。
また、「本の二毛作」と称して、社内で読み終わった本を中国の大学や図書館などに寄贈しています。中国では、日本語で書かれた本が非常に少なく、学生にとっては手が出せないほど高価です。中国人学生たちは知識欲旺盛で、読書によって視野を広げ、未来を切り開こうとしています。
二つ目が「土曜塾」というものです。これは、毎週土曜日に社員が集まり、「一流」というキーワードの下にセミナーを受講したり、勉強会を開いたりするといったものです。人の成長というのは、「一流に触れること」によって大きく促進されます。
―御社の今後の目標を教えてください。
GMCから輩出された経営者人材をネットワーク化し、「AIC(Asian Intelligence Crowd)」を構築することです。今後、GMCの卒業生はアジア全域の、様々な業種に散らばっていくでしょう。こういった「広域×異業種」の化学反応により、企業の成長、事業の発展、グローバル化というものを推し進めていきたいです。
また、現代はいわゆる「マネーキャピタル」の時代として、「資本力が勝負を決める」という風潮があります。しかし、近い将来には「ヒューマンキャピタル」の時代が到来し、人材や情報、ネットワークなどの「無形資産が勝負を決める」ようになっていくのだと思います。そんな中、弊社の育てた人材が社会の大きな役割を担っていてくれれば嬉しいですね。
―杉山さんが中国に来て、初めに抱いた感情はどのようなものでしたか?
「中国人のモチベーションの高さ」ですね。私が初めて中国の地を踏んだのは95年、私が日本の大学で4年生の時です。父が経営する会社が中国に進出していたこともあり、旅行と会社見学を兼ねての訪中でした。
湖南省の長沙という場所へ行って一週間ほど滞在し、現地の大学生と交流する機会がありました。その際、彼らが夢を語る姿に「これから豊かになるんだ」、「自分たちが中国を引っ張るんだ」といった、日本では想像もつかないようなハングリー精神を感じましたね。
―日本の大学を卒業後、97年から復旦大学大学院で企業管理学を専攻されたようですが、きっかけはどういったものでしょうか?
もともとは大学卒業後にアメリカ留学をする予定でした。しかし、アメリカのような自由奔放な環境に身をおいてしまうと、自分は流されてしまうのではないかと考えました。
留学という選択肢を前にして、「自分が最大限に成長していける場所は一体どこなんだろう」と悩みました。そんなとき、「中国のような成長著しい場所で、優秀な人材と共に切磋琢磨していきたい」という思いが日増しに大きくなってきたのです。
日本で学部生だった頃には何かをとことん突き詰めて勉強したことがなく、大学院では自分の興味のある分野を深く学びたいと思っていました。このような理由で復旦大学に留学し、企業管理学を専攻しようと決めました。
―では、経営者人材を目指す学生へのアドバイスをお願いします。
固定観念を持たず、いろんなことにトライしていってください。もし自分の周りに良い環境が無いのなら、自分から良い環境を創り出す努力をしましょう。
また、毎日同じように学校に行き、同じ友達と食事を取っているような変化のない生活を送っていてはいけません。一日一人は新しい人と会うことを目標にしてみてはどうでしょうか。特に、世間で「一流」と言われる人と会い、多くを学び取り、自らを変化させていってください。
―中国へ進出して、優秀な人材の確保にお悩みの企業へアドバイスをお願いします。
中国ビジネスの鍵は「人づくり」です。「どこかから集めてこよう」ではなく、「うちで育てるんだ」という気持ちを持っていただきたいです。そのために、伸びる人材を見極め、彼らに多くのチャンスを与え、理想の人材に育てていってほしいですね。これからの時代、日本でも中国でも無形資産・人材が企業の差を生んでいきます。「人件費は経費ではなく投資」と考え、人づくりに励む日系企業が一社でも多くなることを願っています。
―ありがとうございました。
『万克徳(マクト)商務諮詢(上海)有限公司』
『南富士産業株式会社 上海統括事務所』
http://www.mfsg.co.jp/ (日本語)
http://www.mfsg.com.cn/ (中国語)
総経理・所長 杉山 拓 氏
住所:上海市漕宝路70号光大会展中心C座2701
TEL:86-21-64825228
FAX:86-21-64326916
アポ:藤岡耕三
取材:嶋田恒平
執筆:藤岡耕三
同行:星譲自、劉豊、付he、鐘世傑
<取材後記>
人材育成にここまでの情熱を燃やし、これほど壮大な夢を描いている日系企業に出会い、正直びっくりしています。これからの世界経済で、日本という国が果たしていく役割、日系企業が描くべきビジョンに「人づくり」は欠かすことのできないテーマだと感じました。
また、同社のビジネスモデルの中に「真の国際理解」を見た思いです。中国と日本、お互い相手の欠点を指摘し合うのではなく、お互いの長所を認め、生かしていくことでお互いが幸せになれるんですね。まずは僕自身が「変化できる経営者人材」になり、両国の長所を生かしたビジネスをしていきたいです。
(藤岡耕三)
今回伺った企業は、他の企業とは違う視点で物事を考えており、取材もいつもとは違った視点で進めることができました。そして特に「人材」というキーワードの下、社長の「人づくり」に対しての熱意が今回の取材を通して伝わってきました。会社は、「設備」や「事業」で成り立っているのではなく、優秀な「人材」で成り立っているということを再確認し、取材の中で出てきた、「変化のできる人」になれるよう日々精進していきたいです。
(星譲自)
ベテランの面接官は、「顔を見ただけでその人がどんな人かが大体分かる」らしい。ということは、一夜漬けで身につけた知識を口先だけでひけらかしても、彼らには簡単に見抜かれてしまうってことですよね?面接で生き残るには、やはり根本的に魅力のある人間になれるよう日頃から精進する必要があるようです。がんばって「人間力」を鍛えねば!!
(嶋田恒平)
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<新規メンバー募集>
『RINKOKU』では、新規メンバーを大募集中です!
今期のRINKOKUのテーマは「責任、成長、創出」です。
意識の高い仲間と切磋琢磨し、刺激的な留学生活を送りませんか?
上海に留学している向上心のかたまりのようなあなた、ぜひ一度RINKOKUを見学しに来てください。
* 学業を優先させて活動していただいて構いません。
* 毎週土曜日am10:00より、上海財経大学 中山北一路369号校区 宿舎1号楼会議室にて定例会を開いています。
*参加ご希望の方はkozo-fujioka@hotmail.com(代表 藤岡)までご連絡ください。 * 人数が集まり次第、募集は締め切ります。
興味のある方はお早めに奮ってご応募ください。
メンバー一同、皆様とお会いできることを楽しみにしています。
<お知らせ>
メルマガ『RINKOKU』で相互紹介・PRを希望されるメルマガ、HP、団体などを募集しています。ご希望の方はshimadakohei430@yahoo.co.jp (嶋田)までご連絡ください。
【RINKOKUメンバーブログの紹介】
「RINKOKUを運営している学生ってどんな学生?どんな夢や目標を持って活動しているの?もっとメンバーの素顔が知りたい!」といった読者の皆様のご要望にお応えし、この度RINKOKUではブログを開設し、各メンバーの思いを日記として公開することにしました。日本語版ブログでは主に日本人メンバーが、中国語版ブログでは主に中国人メンバーが書き込んでいます。ぜひ一度ご覧ください。
・ 日本語版ブログ「RINKOKUリレー日記」:http://blog.goo.ne.jp/rinkoku
・ 中国語版ブログ「rinkoku的BLOG」:http://blog.sina.com.cn/rinkoku
【各SNSのRINKOKU コミュニティー紹介】
・RINKOKU@mixi: http://mixi.jp/view_community.pl?id=430267
・RINKOKU@日中ビジネス特化SMS「紅橋」:http://www.hongqiao.bz/?m=pc&a=page_c_home&target_c_commu_id=50
・「紅橋」SNSへの登録:http://www.snsnavi.jp/list/2006/07/post_141.php
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