日本社名:株式会社ユニクロ(UNIQLO)(2/2) 中国社名:迅銷(中国)商貿有限公司
http://www.uniqlo.com.cn
副総経理 高坂武史 氏
「Everybody likes to put on UNIQLO’s clothes」
<前回の続き>
―御社の強みをお聞かせください。
まずは、品質ですね。同じ価格帯のどの製品と比べてもらっても、品質で勝てる自信があります。そして2つ目に価格ですね。お客様にとって手ごろな値段で購入できるよう価格設定をしていきたいと思っております。その為、ユニクロの顧客が約80%リピーターになっていただいております。
そして、ユニクロにはファッション性がないと思われている節がありますが、我々は、ベーシック商品を中心としながら、ファッション性のある要素を企画に取り入れています。
ベーシック商品に流行を取り入れると言う非常に難易度の高い作業をユニクロではニューヨークと東京などのデザインーチームが連動と取りながら、進行しています。ファッション要素をいかにベーシックな商品に取り入れていくかを常に考慮しています。例えば、今年の夏にはやったプリントティーシャツでは世界の有名デザイナーとコラボをしています。
―現在日本のユニクロでは障害者の雇用率1位という実績を残しておりますが、中国上海ではどのような※CSR(企業の社会的責任)活動を行っていますか?
上海事業ではお話できるほどの実績はまだありませんが、これからCSRに力を入れるという方向性に変わりはありません。現在、上海事業ではまだ障害者の方が仕事をできる環境・仕組みが日本ほど整っていませんが、今後可能な限り社会貢献していきたいと思っています。
障害者の雇用はCSRの1つ活動であり、去年から日本のCSR部門との連絡を密にしております。他にも様々なCSR活動を模索しています。
※CSR: Corporate Social Responsibility)は、持続可能な社会を目指すためには、行政、民間、非営利団体のみならず、企業も経済だけでなく社会や環境などの要素にも責任を持つべきであるという考え(Wikipedia検索結果より)
―どうして中国と日本の商品価格が同じくらいなのでしょうか?
理由は二つがあります。1、中国税制上による生産コストは日本と違う為。2、経営上、中国と日本で、根本的に収益構造が違う為。
―好景気に沸く上海、人々の間にも高級志向感覚が生まれてきています。ユニクロでは高級志向に興味がある客層をどのように取り込んでいかれますか?
ユニクロというブランド自体は高級志向ではありません。ユニクロの路線は高級ブランドではなく、高品質の商品をお手ごろな価格でお求めいただけるブランドを目指しています。
―中国に溢れるコピー商品への対応についてはどうされていますか?
昔、大連ではロゴから店舗の内装までまったく同じのお店までありました(笑)
しかし、1年ほどで結局全部潰れてしまいましたね。ユニクロの仕組みはそんなに簡単に真似られません。また、現在上海に出回っている違法商品は工場からの横流しもあります。悪質な違法や大掛かりな場合には日本本社と連絡を取り対処しています。すでに現地の弁護士事務所と日本の本社と連絡して何件かに対応もしており、企業としても、中国政府と連携を取り、しっかり取り締まっていく方向です。
―ユニクロ独自の制度などありましたらお聞かせください。
今のところ、上海では特別な制度を取り入れてはいません。しかし、先ほどの採用条件でもお話した通りユニクロという企業の体質自体が実力主義であり、能力さえあれば、バックグラウンドとはまったく関係なく昇格できます。
現在浦東の正大広場にある支店長は、高校卒業後入社しわずか3年で店長になりました。
上海店舗8店舗中2店舗の店長は同じように店員からの出世ですね。3ヶ月ごとの目標を設定しており、毎週ごとに目標の進捗報告と再確認を行うなど、人材育成には非常に力を入れていますよ。中国でもいずれは日本のような制度も導入する予定です。
―インターネット販売の可能性についてお聞かせください。
弊社の日本におけるインターネット販売の売り上げは好調ですが、ユニクロ全体の売り上げからすればさほど多くないほうです。ただ、ポテンシャルがあり、今後更に強化していきます。中国でも、将来的にはインターネット事業に取り組んでいく予定ですが、現在は、まず、実体のある店舗網を構築し、より多くのお客様にUNIQLOを認識していただくことが先です。もちろんインターネット事業における可能性は大きいものと考えています。あとは時期を見計らってから参入していきたいと思っています。
お店に足を運んでもらい、実際に服を手にとってもらう事が一番大事だと思っています。
―最近、商品に社名表示タグを付けない理由はなんでしょうか?
服には個性もなく、主役でもない。主役は人間です。ユニクロは誰にでも気軽に着ていただくブランドだからです。
―社員の雇用時に注目している点はございますか?
一番大事なことはやる気ですね。そして、数年後の自分を具体的にイメージできるかどうかが重要だと考えています。経歴はあまり重視しません。
例えば、「私は3年後にはこの業態の基本知識を身に付け、30でチームを率いてプロジェクトを実行する」というしっかりとした目標を持っている人が成長すると思います。もちろんユニクロに面接に来る場合は、どうして小売を選んだのか、明確な理由が大事ですね。
―中国で仕事をされていて最も感動したお話をお聞かせください。
中国1号店オープン時に最初のお客様が入店してくださったときには思わず涙しました。オープンまでに多くの問題を抱えておりましたので、その努力がやっと報われて、具体的な形として成就したと思いました。中国1号店の一人目のお客様には記念に一筆認(したた)めてもらいましたよ(笑)。
―上海の留学生に向けて一言お願いします。
志を高く持ち、基本を大事にしてください。
―ありがとうございました。
日本社名:株式会社ユニクロ(UNIQLO) 中国社名:迅銷(中国)商貿有限公司
http://www.uniqlo.com.cn
副総経理 高坂武史 氏
上海市徐匯区中山南二路1089号徐匯園苑16階02号室〒200030
連絡先:86-21-5412-8808
取材:中原周一
執筆:中原周一
同行:松村伸幸、張qi、東雲智鈴、丸山由貴
<取材後記>
初インタビューだったのでとても緊張してしまい、やらかしてしまった感じです。反省。
高坂さんの人柄は、エネルギッシュで情熱的、そして自分の仕事にすごく誇りを持ってるんだなと思いました。記事には詳しくかけなかったけど、日本と中国の価格の違いの理由がわかったりして、個人的な収穫もありました(笑)
僕にとってこれからも上海の生活にはユニクロは欠かせない存在になりそうです。ただ、欲を言えばもう少し大きめのサイズが欲しい!!(XLでも180cmまでだから)
(シュウイチ)
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